人気ブログランキング | 話題のタグを見る

徒然の日記


by sacados_dagashi

ミュージカルバトン

友人のこじま氏から「ミュージカルバトン」が来ました。
http://www.skoji.jp/movabletype/mt-tb.cgi/294

質問項目は、
・今パソコンに入ってる音楽ファイルの容量
・最後に買ったCD
・今聴いている曲
・よく聴く曲、または自分にとって特に思い入れのある5曲
・バトンを渡す5名の方
ださうです。

・今パソコンに入ってる音楽ファイルの容量

8.32GB

・最後に買ったCD

昨日(6/19)に池袋のHMVで購入しました。
バッハ:管弦楽曲組曲第3番&ブラームス:交響曲第4番、オットー・クレンペラー指揮バイエルン放送交響楽団(1957年ライヴ)、Orfeo
レーガー:バレエ組曲、古い形式の協奏曲、ベートーヴェンの主題による変奏曲とフーガ、オトマール・スイトナー指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団、Eterna
レーガー:弦楽四重奏曲集+クラリネット五重奏曲、ドロルツ四重奏団、カール・ライスター(クラリネット)、Deutche Grammophon

・今聴いている曲

レーガー:ヴァイオリン・ソナタ第2番
  フィリップ・ネゲレ(ヴァイオリン)、リヒアルト・ラウグス(ピアノ)
基本的に、マックス・レーガー(1873-1916)と云ふ作曲家はマイナーな部類に入ります。
ドイツの後期ロマン派音楽の流れはマーラーからヴィーン楽派の無調主義・十二音音楽へ向かふのですが、レーガーはそちらの方向には行かずに、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンに回帰するかのやうな、古典的な調声と形式を重んじた曲を書く作曲家です。その意味ではブラームスに通じるものもありますが、ブラームスに比べると、曲想が幻想的ながら晦渋なものです。旋律の息は短く、オリジナリティを感じさせるものではないので、特に好かれる作曲家ではないのですが、静かだけれども幻想的な旋律ががつしりとした構築で繰り返されるのは、他の作曲家にはない魅力だとわたしは感じてをります。
で、今聴いてゐるヴァイオリン・ソナタ第2番はレーガーが18歳の時の作品で、彼の後の作品よりも若々しく、その中でも第4楽章が自由奔放な感じでして、魅力をつい最近、発見しました。
演奏家についてはライナーノーツに出てゐる以上のことは分かりませんが、1970年前後にレーガーの室内楽集が「Da Camera」と云ふレーベルで録音され、2年程前にCD化されたもの23枚組(「Da Camera Magna」)を購入しまして、そのうちの1枚です。弦楽器・管楽器を中心に聴き進めてをります(まだ、全部聴いてゐません)。
レーガーを一度、実演で聴いてみたいものですが、なかなかそのやうな機会に巡り会ふことがありません。

・よく聴く曲、または自分にとって特に思い入れのある5曲

レーガー:弦楽四重奏曲第4番、ブッシュ四重奏団
レーガーづくしで、一曲。
戦前のドイツの弦楽四重奏での最高峰・ブッシュ四重奏団ですが、戦争で主宰のアドルフ・ブッシュがアメリカに移り、戦後にメンバー変更をしてからドイツで放送のために録音したものです。ブッシュを始めメンバーの技量の低下はありますが、レーガーの幻想的な旋律が戦後の雰囲気のおどろおどろしさと相まつて、重々しく響く演奏です。戦前のベルリンのシュトループ四重奏団の録音もありますが、こちらは第一ヴァイオリニストのシュトループの甘い演奏が楽しめます。

ドビュッシー&ラヴェル:弦楽四重奏曲、カペエ四重奏団
戦前のフランスの弦楽四重奏団で、当時「世界一のベートーヴェン演奏」と謳はれたカペエ四重奏団のフランス作品の録音です。特にラヴェルの冒頭の第一ヴァイオリンの甘美さに痺れます。何度かCD化されてゐますものの、結局は1980年代にフランスのパテ・マルコニ社から出たレフェランス・シリーズのLPで聴くのが一番だと思はれます。それだけに、このLPは宝物ですね。

クライスラー自作自演
ヴィーンの大ヴァイオリニスト、フリッツ・クライスラーの録音は、わたしにクラシック音楽の素晴らしさを教へてくれました。有名なヴィーン奇想曲、美しきロスマリンなどもいいですが、シンコペーションと云ふ曲が素晴らしいの一言です。リズムはアメリカのジャズから取つたらしいのですが、クライスラーのヴィーン風の美音が楽しげに鳴るのがうれしいですね。クライスラーは多くがCDに復刻されてをりますが、シンコペーションの録音は版権の関係でせうか、CDでは東芝EMIのヴァイオリンの巨匠達のセットくらゐにしか収録されてゐないみたいです。英EMIから出たLPの復刻が味はひがあるのですが、聴きすぎた所為か、少し磨り減つてしまつてゐる感じになつてきました。

ブラームス:ワルツ集・愛の歌
東欧の民謡詩集のドイツ語訳にブラームスが曲をつけた作品です。
非常に素朴な愛の世界が歌はれてゐます。
恋愛の楽しさ・苦しさ・切なさ・残酷さが、一貫したワルツのリズムのもと、様々な調子で歌はれていきます。
自分自身が恋をすると聴きたくなりますね。
録音としては、ガーディナー指揮モンテヴェルディ合唱団の合唱ヴァージョンや、グラモフォンの誇るオペラ歌手(マティス、ファスバンダー、シュライアー、フィッシャー=ディースカウ)での重唱ヴァージョンがお薦めです。

ブラームス:クラリネット五重奏曲、ウラッハ(クラリネット)+ヴィーン・コンツェルトハウス四重奏団
ブラームスの最晩年の作品です。ブラームスの生涯は、抑制されて大きな事件のない表面を持つてをりますが、内面では相当の葛藤を持つてゐたらしく、静かな諦観の表情を見せる曲想の内に情熱がこめられてゐるとわたしは感じてをります。戦前から戦後に掛けてのヴィーン・フィルのクラリネットのトップのウラッハが、この曲の幽玄な響きを表現します。支へるヴィーン・コンツェルトハウス四重奏団は非常に古風な演奏を繰り広げます(ある意味、技量の面で難があるかも知れませんが)。古き良き時代の想ひ出、と云つた雰囲気の素晴らしい録音です。

あと、ヴァーグナーやブルックナーも出したいところですが、今回はお預け。

・バトンを渡す5名の方

いやあ、知り合ひがをりませんで、わたしで止めてしまふことになります。申し訳ない。
by sacados_dagashi | 2005-06-20 22:20 | Musique classique